大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

京都地方裁判所 昭和52年(ワ)1727号 判決 1978年10月25日

主文

被告は原告に対し、金一四〇万七九一一円及び内金八三万七三五八円に対する昭和五一年九月一九日から、内金五五万五五五五円に対する同月二〇日から各完済まで年六分の割合による金員を支払え。

原告のその余の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

この判決は仮に執行できる。

事実

第一  当事者の申立

一  請求の趣旨

被告は原告に対し

金二〇〇〇万円とこれに対する昭和四九年五月五日から昭和五〇年六月一二日まで年七分三厘五毛の、同月一三日から完済まで年一割三分三厘五毛の各金員

金二七〇〇万円とこれに対する昭和四九年六月一五日から昭和五一年九月一八日まで年七分三厘五毛の、同月一九日から完済まで年一割三分三厘五毛の各金員

金五〇〇万円とこれに対する昭和四九年六月一五日から昭和五一年九月一八日まで年三分五厘の、同月二〇日から完済まで年九分五厘の各金員

を支払え。

訴訟費用は被告の負担とする。

仮執行宣言

二  請求の趣旨に対する答弁

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

第二  当事者の主張

一  請求原因

1  被告は金融業務等を営む信用組合である。

2  原告の弟訴外全宏は、その名義で被告に対し、次の預金(以下総称するときは本件預金という)をしていた。

(一) 定期預金二〇〇〇万円(以下預金(一)という)

契約日 昭和四九年五月四日

(二) 定期預金二五〇〇万円(以下預金(二)という)

契約日 同月三一日

(三) 定期預金四六万円(以下預金(三)という)

契約日 右同日

(四) 定期預金一五四万円(以下預金(四)という)

契約日 同年六月一五日

以上いずれも期間一年、利率年七分三厘五毛

(五) 通知預金五〇〇万円(以下預金(五)という)

契約日 右同日

利率 年三分五厘

3  右預金は原告の父訴外亡全炳和の相続人協議のうえ、原告が取得すべきものとして昭和四九年六月一五日原告の名義に書換えられた。

4  原告は昭和五〇年六月一二日預金(一)の払戻を請求し、昭和五一年九月一八日預金(二)ないし(四)の払戻請求と預金(五)の解約通知をしたが、いずれも支払を拒絶された。

5  よつて被告に対し、請求の趣旨記載のとおり、本件預金及び預金(一)について預入の翌日から、預金(二)ないし(五)については昭和五一年六月一五日から各完済まで約定の割合による利息とこれに加え預金(一)ないし(四)については払戻請求の翌日から、預金(五)については払戻請求の翌々日から各完済まで商事法定利率による遅延損害金の支払を求める。

二  請求原因に対する答弁

1  請求原因1、2、4の各事実は認める。

2  同2の事実中原告主張の日に預金名義が原告に書換えられたことは認めるが、その余は否認する。

本件預金は全炳和の財産を同人の死後、全宏が遺産として管理する目的で自己名義で預金していたものであるが、原告が長兄であることを考慮して相続人ら協議の結果名義だけを原告に書換えたものである。よつて本件預金は相続人全員の合有に属するものである。

三  抗弁

1  被告は全炳和に対し、次の貸金債権(合計三七六二万五〇五八円)があるが、同人の相続人は妻と原告ら六人の子であつて、原告は相続により、その債務の九分の一を相続したから、被告は原告に対し、昭和五三年九月八日現在金四一八万五六二円の債権がある。

(一) 昭和四八年三月二〇日に貸付けた金三九〇万円と金八三九万七二四二円の二口の貸金とこれに対する昭和五三年九月八日までの遅延損害金七六〇万一五三六円

(二) 昭和四八年四月二八日に貸付けた金一七一六万円とこれに対する昭和五三年九月八日までの遅延損害金五六万六二八〇円

2  被告は昭和五一年三月五日原告に対し、金五〇〇万円を利率年一割一分八銭七厘五毛、弁済期同年五月五日の約束で貸付け、これに対する昭和五三年九月八日までの遅延損害金は一三八万四三三二円である。

3  よつて被告は予備的に原告に対する右1、2の債権合計一〇五六万四八九四円をもつて原告の本訴請求債権と対当額で相殺する。

第三  証拠(省略)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例